モスクワの意志と統一戦線

 

アメリカ外交官、ロイ・ウェズリー・ヘンダーソンの、1937年5月12日付報告です。

Foreign relations of the United States ... 1937:v.3.  | HathiTrust Digital Library (p.91-93)

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。

 

 

拝啓:モスクワの雑誌『ボルシェヴィキ』の第8号、1937年4月15日に掲載された中国共産党と国民党との関係を扱った記事の翻訳文を同封することを光栄に思う。この記事は、共産主義インターナショナルの、モスクワにおける中心的な組織の主要な中国人である、王明の筆からのものである。雑誌『ボルシェヴィキ』は、全連邦共産党ボリシェヴィキの、中央委員会の機関紙である。モスクワの雑誌『共産主義インターナショナル』の第3号、1937年3月に、同じ記事が若干の変更を伴って登場した。この雑誌はコミンテルン執行委員会の機関紙である。


共産主義インターナショナル』へのこの種の記事の掲載は、クレムリンが持つ完全承認のスタンプが押されていることの十分な表れとなるであろう。『ボルシェヴィキ』への掲載もまた、この点について一片の疑いも残さない。したがって記事は実際には中国の政治情勢に対するモスクワの政策の表現であり、この種の最初のものは以前からずっと記事になっていた。このような理由から、ロシアの共産主義思想の最大表現を共有する冗長な言い回しにも関わらず、翻訳文書の全文を受け取ることに、国務省は関心があるかもしれないと思われた。

この記事の以下の点について特に関心があるだろうと大使館は考えている。

 

(1)共産主義インターナショナル(すなわち、ソ連政府の指導者)と、中国共産党・中国赤軍ソ連の中国人達の親密な関係の証明、そしてモスクワによる政策の承認の表明は、中国の共産主義者によって現在実行されつつある。
(2)中国とソ連の間の開かれた提携の明白な願望は日本に対する指導。
(3)モスクワの意志は、国民党の中央執行委員会の三中全会によって、4つの条件に基づいて中国の共産主義者南京政府とが交渉すること。
(4)「共産主義者の政治的な問題を妥協する意志には一定の限界がある」という同時の警告。
(5)山西省甘粛省から国民党軍を撤退させる代わりに中国北西部に大規模な軍事力を集中させたこと。馬歩芳に甘粛西部の赤軍部隊への攻撃を許したこと。北西部の赤軍河南省安徽省へと転任させたこと。張学良に完全な個人の自由を与えず、彼の軍隊・政治的地位を返還しなかったこと。Wang I-cheh将軍の殺害。「共産党との交渉で意図的に時間を稼いだ」こと。赤軍共産党に関する過度の要求、について南京政府に非難を開始する。

(6)統一戦線は共産主義者の一時的な操縦にすぎず、結局のところ統一戦線は国民党に敵対するであろうとの日本の告発に対する、興味深い返答。

(7)統一戦線運動が「ソビエト連邦だけに利益をもたらす」という告発に対する返答。

(8)南京政府との交渉の成立前でさえも、ジェスチャーとして、一定の譲歩をなすにあたって中国共産党が主導権を握るように命令を受けたという兆し。

(9)「日本の帝国主義に対する」中国人の戦いに関連して「すべての先進的な人類の運動」という言葉の使用。このフレーズは、スペインの共和党派の運動に適用するためにスターリンによって造られた。スターリンによって造られたフレーズは、いいかげんに言いふらされているわけではなく、中国との関係におけるこの語の出現は政策の表現に等しい。

 

この記事の意義は、極東諸国とソビエトとの関係の進展に関するこの任務の、前回の報告ですでに議論されている (despatch No. 256, April 30, 1937)。

 

敬具  ロイ・W・ヘンダーソン