ロイ・ヘンダーソンの報告書(その1)

 

アメリカ外交官、ロイ・ウェズリー・ヘンダーソンの、1936年11月16日付報告の部分訳です。

Foreign relations of the United States.... | Hathi Trust Digital Library (p.311~314)

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。この報告書にはブログ主にとって難解な英語表現が多いため、より一層のご注意をお願いします。

 

 

(前略)

私の意見では、現在の即時の目標は、基本原則を犠牲にすることなしに、経済力や軍事力の急速な成長の結果として卓越した難攻不落の要塞になるであろう、ソビエト連邦への、外部からの軍事的攻撃を避けることである。この目標を達成するために、私の意見では、現在クレムリンはその外交政策を3つの線に沿って言い表す。その試みは。


(1)いくつかの軍事援助協定を含めていわゆる集団安全保障体制を構築し、列強の、特に最もソビエト連邦を攻撃しそうな気配であるドイツと日本の、武力侵略行為を思いとどまらせる。
(2)ソビエトの国際的地位を危険にしすぎることなしに実施できる限りにおいて、他国の国際革命ないし潜在的な革命軍[革命勢力]の隅々まで、モスクワの主導権を獲得し維持すること。
(3)ソビエト連邦を自給自足の・いかなる強国からの強襲にも抵抗することができる世界大国へと変えるために必要な、商品や技術、資金援助を得る目的で、外国とソビエトの関係を利用すること。

 

ソビエト政府は上の段落で言及した(1)から(3)に沿った外交政策を実施する上でアメリカ政府が協力することを望んでいると、おおっぴらに、または、ソビエトの官僚が大使館職員や他のアメリカ人にさまざまな機会になした陳述から・・前段落の(2)の政策に沿って遂行することの邪魔をせず、アメリカ政府がこれらの願望に応じるまでは、アメリカとソビエトの関係の経過は平穏になりそうにないと私は信じたいと思う。それどころか、この派遣の初期に列挙された失望と苛立ちの根源を検討すると、これらの中で最も重要なのは、アメリカ政府がソビエト政府の要望に同意しなかったことによると示されるであろう。

 

例えば、極東と欧州においてソビエトを最も攻撃しそうな列強を抑止するために、アメリカ政府はソビエトが望む範囲でソビエト政府と協力してこなかったため、ソビエトの官僚は深い失望を表明している。

 

ソビエトの官僚は、「ソ連の平和政策」として、日本やドイツなどのいわゆる侵略的な[攻撃的な]列強を隔離するというソビエトの政策にいつも言及し、アメリカのように世界平和の保全に懸念を抱く全ての国がその政策の推進を支援すべきであると、頻繁に述べる。大使館職員・アメリカ人学者やジャーナリストとの会話において、一定のソビエト関係者は、アメリカ政府は、中立政策を採用し、欧州とアジアの「平和を愛する列強」と「侵略的な列強」の間で起こっている闘争に関与することを拒否することで、世界平和の維持のための責任の分担を引き受けていない、という態度をとった。

 

欧州の「平和を愛する列強」、そして同様に「攻撃的な列強」に、彼らが「世界の平和を保つためのソビエト政府の努力」と呼ぶことに慣れているものにアメリカ政府は共感する、と明確に知らせることを、彼らは第一に望んでいるように思われる。一連の声明と、平和に関連する問題について両国政府間の連帯を示す行動によって、これを行うことができると彼らは考えているようだ。


しかしながら、そのような連帯の実演は、それだけでは十分ではないであろうということが明らかなようだ。これら官僚の幾人かは次の段階として、侵略行為の場合には、財政的・技術的援助や軍事その他の支援を提供することによってアメリカ政府は被害者に味方するであろうと、アメリカ政府は「侵略的な列強」に信じさせるべきであると示唆する。いわれのない攻撃の場合に、アメリカ合衆国が相互軍事援助の明確な条約に直ちに参入するならば、それはもちろん望ましいであろうし、かくて集団的な安全保障構造の全体を大幅に強化する、と彼らは指摘する。しかしながら彼らは、アメリカ世論がこのような深刻な性質の義務の引き受けを容認する前に、アメリカでかなりの量の予備教育が行われる必要があることだろうと認めている。


ソビエトの「平和政策」を追求して連携を得るための、アメリカ政府に対するソビエトの要求は、はっきりと進歩的な性質を持つように見えるであろう。それらを部分的に満足させることですら、アメリ外交政策に根本的な変化を必要とするであろうと思われる。

 

共産主義インターナショナルや関連組織に関する失望は、他国の国際革命ないし潜在的な革命軍[革命勢力]の隅々までモスクワの主導権を獲得し維持しようと努力する、クレムリンの政策に・・その政策がアメリカに影響を及ぼす限り・・アメリカ政府が反対する傾向に起因している。