英仏露の支援協定(その5)

 

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。

 

 

Foreign relations of the United States.1939.V1. | Hathi Trust Digital Library (p.266-269)

ウィリアム・ブリットから国務長官

PARIS, June 5, 1939–7 p.m.
[Received June 5–5:47 p.m.]

本日午後、ボネは、仏政府への最新の提案を包含するソビエト政府の文書を私に提供した。第一段落は、任意の大国による直接攻撃が起こった場合には、仏国・英国・ソビエト政府は互いに軍事支援を行うとの共通の契約を含む。次の段落は、フィンランドエストニアラトビアポーランドルーマニア・トルコ・ギリシャ・ベルギーに対する「侵略」が起こった場合、三国は軍事行動を取らねばならない。文書の最後の段落は、この政治合意は、将来取り決められる軍事協定が英国・仏国・ソ連によって署名された後のみに有効となる、と規定する。


ボネとダラディエは、現在の形でのロシアの提案はふたつの理由によって受け入れられないと感じている。

(1)国家が万一攻撃され、かつ支援が要請された場合のみに支援は提供される、と定めた英仏の草案の規定をロシアは削除した。
ここで彼は、ソビエト政府がエストニア政府に送った文書と、エストニア政府がソビエト政府に送った回答のコピーを私に手渡した。エストニアへのソビエト文書には、エストニアの政治的・軍事的・経済的な性質の特殊な特権を任意の大国が得ることの阻止はソビエトの重要な関心事であり、「束縛なくとも強要であっても」万一そのような特権を任意の大国に与えることがあれば、エストニア政府が支援を要請したかどうかにかかわらず、ソビエト政府はそのような「侵略」に対抗せねばならないであろう、と書かれていた。(エストニア政府からの回答文書には、エストニアに対する侵略があったかどうかを判断する唯一の権利はエストニア政府が保持する、と書かれていた。)

 

ソ連政府からエストニアへの当文書に鑑みると、ソ連政府から英仏への提案における「侵略」という言葉は不吉な様相を帯びる、とボネは続けて述べた。その国は侵略と考えなかったとしてもソビエトが侵略とみなすと決めると、仏国政府と英国政府は、ソビエトが侵略すると決めた国へのソビエトの侵略を支援せねばならないであろうから、フィンランドエストニアラトビアポーランド・トルコへの軍隊の派遣を、どんな時でもソビエトが決めるべきであるという意味に解釈することができる。言い換えるとソビエトの提案は、英仏が承諾し支持するソビエト文書という名目でソビエトが国を侵略するための、白紙委任を意味する。
東欧にボルシェビキの政策を拡大するための支持をソビエトに与えることには、英仏はもちろん同意できない。

さらに英仏の道徳的立場は国民の自由の擁護に基づいている。ソビエトの提案を受け入れるということは、文書に記載されたとの名目で、諸国全体へのソビエト保護領の設置に同意することを意味するであろう。

 

(2)第二の異議は、あらゆる外交慣習に反し、政治協定は軍事協定の署名に影響され左右されるけれども、その期限がまったく明示されていないということである。もし英仏がソ連が提案した政治協定に署名したならば、ソ連政府は英仏に、まったく賛成しかねる性質の軍事支援を要求するかもしれず、きっとそうするであろう。
将来の軍事協定の結論に影響される文書として提案された政治協定に署名することは、したがって、ロシア人が書き込むか書き込まないかを決めることができる白紙委任状に署名することであろう。


私がボネと一緒に居た際、ソ連の提案についての英国の見解を得るため、彼はフランスの駐ロンドン大使、チャールズ・コービンに電話をかけた。

コービンは今朝ハリファックス伯爵と面会したと答えたけれども、ハリファックスはまだチェンバレンにロシアの提案を見せておらず、彼は慌ただしくそれを読んだだけで専門家からの報告を受けていなかったので、明確なことは何も言えなかった。


ダラディエはソ連の駐パリ大使Suritz, Yakov Zakharovichと面会し、フランス政府はなおソ連の文書を検討しており正式な回答を用意していないと彼に述べた。けれども将来の軍事協定の締結に影響される政治協定のみならず、諸国を「侵略」から守るという名目でソ連軍による侵略を許すとの一節にもフランスは同意しないであろう、とボネは述べた。


仏国・英国・ポーランド間の政治合意については、ポーランドが政治的合意の即時決定を議論するよう英国に要求していないため、まだ進展していないとボネは述べた。彼はこれは理解できないし、この状況を明快にしようと試みるようにとの通知を今日受けたと述べた。彼はポーランドとの政治的・軍事的・財政的協定を近い将来に締結するよう英国を説得できることを願った。これは仏国とポーランド間の同様な協定の署名を可能にするであろう。


終わりに臨んで、現在の困難にもかかわらず、それでも英国・仏国・ソ連の間の協定は達成されるであろうと信じている、とボネは述べた。対露親善を成し遂げようとのドイツの努力について、進展がなかったことをドイツからの情報は示した、と彼は付け加えた。詳しい情報は、ドイツはポーランドや他国に対する今月の攻撃を考えていないことを示した。