ソ連外交と国際情勢の影響

 

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。

Foreign relations of the United States. Diplomatic papers. The Soviet Union, 1933-1939. p.773-775

 

 

Memorandum by the Assistant Chief of the Division of European Affairs (Henderson)


[原文注:政治関係顧問のJames O. Dunn氏、欧州問題担当部門副課長のJohn D. Hickerson氏に宛てられた]

 

[Washington,] July 22, 1939.

 

最近、新聞に、ソ連外交政策に関する記事が数多く掲載された。私見では、それは、現在のロシアの支配者たちの心理についてほとんど知識も理解もない人々によって書かれたに違いない。実際、少なくともアメリカの報道機関は、現在のソ連外交政策をひとつも理解していないように思われる。

 

あなたの役に立つかもしれないとの期待のもと、私は、ソ連外交政策の指導原理になるはずだと考えるものと、最近の国際情勢がこれらの原理の適用に及ぼした影響について、かなりの所感を以下で明らかにしている。

 

(1)ロシアの現在の統治者たちは、依然として攻撃的な精神に支配されている。つまり、ソビエト連邦を拡大し、ソビエト体制下に追加の人民と領土とを算入するという究極の目的から外れていない。


(2)けれども彼らは、現在の戦術は、次のようにあるべきと確信している。
(a)すでに彼らの支配下にある領域をそのまま保持すること。
(b)その領域の経済力と軍事力とを可能な限り急速に高めること。

 

(3)ソ連の統治者たちは、ソ連が成立して以来、やがてはいわゆる資本主義諸国からの攻撃の標的になるだろうと確信してきた。その理由は。資本主義諸国がロシアの巨大な未開発の富を欲しがっているか、これまで兵力を増してきたソ連が彼の国々を滅ぼさなければ、結局は彼の国々はソ連を滅ぼすに違いないと確信するようになったか、いずれかである。


(4)ここ数年間、ソ連の指導者たちは外国の敵対的な組み合わせを特に懸念してきたけれども、以下の点にとりわけ言及できるかもしれない。
(a)ドイツ、ならびにポーランド、ことによると日本の支援を得て。
(b)ロカルノ条約の四大国、英仏独伊。(ソ連の指導者たちは、1918年以来、四大国が合意に達すればいずれソ連に敵対するだろうと確信してきた)。
(c)ドイツや欧州の国境諸国などの支援を受けた日本単独では、実際に紛争に立ち入らないかもしれない。(ここ数年、ソ連の指導者たちは、第三者が介入しなければ、日本を阻止するのに十分な力があると確信するようになった。けれども日本との戦争は、彼らが避けたいと望む大きな経済的損失をもたらすだろう)

 

(5)ドイツとポーランドが協力してソ連への攻撃に従事する可能性がある限り、ソ連の対欧州の外交政策は、いわゆる集団的安全保障を求めるソ連の要求に基づいていた。この集団的安全保障は、本質において、欧州を二つの陣営に分割し、そのうちの一つでソ連が主導的役割を果たす。

 

(6)三月のポーランドとドイツ間で生じた決裂、それに続いたイギリスによるポーランドルーマニアへの保証は、ソ連に関する限り国際的な見通しを大きく変えた。現在、ソビエトの指導者たちは、初めて、ドイツとポーランドの組み合わせ、もしくは欧州四大国の和解、どちらについても直ちに不安に陥ることがない。

 

(7)この変化の結果、ソ連はもはや集団安全保障政策に深い関心を持たなくなった。英国が支援するポーランドがドイツと対立している限り、欧州からの攻撃の危険性から比較的安全だと感じている。現在のところ、政策の遂行を制限するような取り決めを欧州諸国との間で結ぶことは望んでいない。もしソ連がイギリスと合意に達するとすれば、東ヨーロッパに対する覇権に等しいものをソ連に与え、西ヨーロッパの統一を少なくとも何年も不可能にする原則に沿って、ソ連はそうするであろう。


(8)欧州では比較的安全と考えているのでソ連は極東に目を向けている。ソ連は何年も日本との間で3つの未解決の問題を解決しようと努力してきたが、うまくいかなかった。
(a)樺太における日本の譲歩。ソ連の指導者たちは、日本が完全に樺太から手を引くまで満足しないだろう。
(b)ポーツマス条約に基づくシベリア海域での日本の漁業権。ソ連の指導者たちはこれらの権利の存在は彼らの主権の縮小を意味していると感じており、完全で無制限のソ連の主権をシベリア沿岸全体に確立するまで彼らは満足しないだろう。
(c)ソ連満州国間、および満州国とモンゴル間の明確な境界線の設定。

 

(9)現在の日本は、中国との戦争をおこなっていると同時に、中国に港と治外法権を持つ大国との間で言い争っているという不愉快な立場にある。ソビエト連邦には他に差し迫った国際的な問題はない。したがって、ソ連は、極東における日ソ間の和解をソ連に満足のいくものにするために必要な犠牲を日本に強いるという考えで、極東で多くの事件を引き起こし、概して日本にとって不愉快な事態を引き起こす立場にある。私は、ソ連はその立場を利用し損なっておらず、モンゴル・満州国境で現在起きている多数の事件は、大部分がソ連の扇動によるものであると信じたい。極東で日本を圧迫する政策に従事して、もちろんソ連は、日本との戦争に巻き込まれる危険を招いている。けれども結果として戦争が起こればソ連にとって最も好都合な状況になる。全体主義国を除いた文明世界の大部分は、概してソ連に同情するだろうし、もしドイツが日本の援助を得ようと努力すれば、ソ連政府は、現在英仏が得ようとしている条約への参加に同意することによって英仏の支援を約束するだろう。

 

上記が非常に複雑な状況を単純化しすぎていることは理解している。共産主義インターナショナルや、近い将来にポーランドとドイツの間に戦争が勃発した場合にソ連が採るかもしれない態度に言及していないことに、あなたは気が付くはずだ。しかし、ソ連外交政策を理解しようとするときには必ず、私が上で明らかにした点を考慮すべきだというのが私の意見である。