現在のアナキストについての真相

 

ニューヨークタイムズ、2020年9月30日付の翻訳です。

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。

Opinion | The Truth About Today’s Anarchists - The New York Times

 

 

5月の最後の日曜日、カリフォルニア州サンタモニカに住む一時休暇中の写真家、ジェレミー・リー・クインは、友人が「1マイルほど離れた靴屋で略奪が起こっている」とより劇的な画題を警告したとき、母親たちがブラック・ライヴズ・マターの抗議集会にひざまずいている写真を撮っていた。彼が到着すると、靴箱を脇に抱えた若者たちが店から流れ出てきた。けれどもその光景は奇妙だった。黒ずくめの男たちが監督者のように近くでうろうろしている。一人は不気味なゴム製のハロウィンマスクをしていた。

 

翌日、クイン氏は略奪されている別の店の写真を撮った。再び奇妙なことに気がついた。黒ずくめの白人がバールで窓を割ったが、何も取らずに立ち去った。

 

クイン氏が各地の略奪の映像を調査し始めると、同じ黒い服、時には同じマスクを目にした。実際に何が起こっているのかを知るため、自分自身もそのような服装で抗議に行くことにした。黒人に対する恐怖心を煽ることでトランプ大統領の再選を助けたい白人至上主義者を見つけることを期待していた。その代わりに彼が見つけたのは「無政府主義の暴動」の忠実な信奉者だった。

 

コロナウイルスが流行するまでユニビジョン(訳注:合衆国におけるスペイン語のテレビネットワーク)で働いていた演劇研究家で40代のクイン氏は、ここ4カ月の間、国中6都市で「ブラック・ブロックアナーキストたちと行進し、自身のウェブサイトでこの体験を記録してきた。無政府主義者が信奉する階級のない社会という理想は尊重するけれども、トランプ大統領の再選を助ける反発を引き起こすかもしれぬと懸念された、一部の無政府主義者が用いる戦術には次第に不快感を覚えてきたと彼は言う。オレゴン州ポートランドでは、連邦裁判所で花火を打ち上げた人々と一緒に行進した。ワシントンでは、食事客に嫌がらせをした抗議者たちと行進した。

 

クイン氏は、ミネアポリスでの、警官による非武装の黒人男性ジョージ・フロイドの殺害をきっかけに展開された混乱につき、困難な真実を発見した。それはひとつも混乱ではなかった。

 

テレビの司会者たちはこれを、人種的不正義に対する怒りが自然発生的に噴出したものだと日常的に描いた一方、彼らの行動が人種的正義の主張を前進させたと信じる無政府主義者たちによって、戦略的に計画され、促進され、ソーシャルメディアで宣伝された。彼らは非主流の集団であるから、平和的な組織によってすぐさま追放された都市もあった。けれども、ワシントン、ポートランド、シアトルでは、「カルトのような勢いで」彼らは引き寄せられたとクイン氏は語った。

 

クイン氏の言葉だけを真に受けてはならない。無政府主義者の発行物 crimethinc で作戦を展開する無政府主義者の言葉を用いると、黒ずくめの風采は、窓を割り、火を放ち、パトカーを破壊した後、平和的な抗議者の群衆の中に溶け込んで帰ってくる。警察が催涙ガス・ゴム弾・乱暴な逮捕で罪のないデモ参加者に容赦なく応答すると、法執行機関としての警察に対する国民の軽蔑が増幅する。非対称戦争の初級編だ。

 

「元労働者」と呼ばれる無政府主義者ポッドキャストによると、マハトマ・ガンディーに触発された平和的不服従を信じる無政府主義者もいれば、放火や万引きのような犯罪を用いて資本主義体制を弱らせようと主張する者もいるという。「元労働者」によると、「反乱無政府主義者」という言葉の起源は少なくともスペイン内戦とその直後まで遡り、ファシスト指導者フランシスコ・フランコの敵対者が、彼の政権に対する「直接行動」(警官の暗殺や銀行強盗を含む)を用いたという。

 

狂気への秩序が存するとあなたを納得させるのにこれでは不十分であるなら、ラトガーズ大学の研究者たちによる新しいレポート「計画され、調整され(リアルタイムで)、平和的な抗議に便乗した明らかに暴力的な社会的無政府主義者のネットワークによって挙行された、組織的な、オンライン動員の暴力」を読んでほしい、と共著者のパメラ・パレスキーは言う。彼女によると、一部の無政府主義者ソーシャルメディアのアカウントは、5月以降300倍に成長し、数十万人のフォロワーがいるという。

 

「広がり続け、ついには暴力的な反乱を含む更なる暴力をもたらす能力は、ありふれた風景の中に隠れる能力に依拠している・・合法的な抗議行動と混同され、メディアや一般市民が脅威を過小評価するように」とパレスキーは語る。

 

彼女の報告が、保守派メディアや、最近ニューヨーク、ポートランド、シアトルを「アナキスト管轄区」と宣言した・・すこぶる嘲笑された、連邦資金の保留という脅しを伴う指定・・ウィリアム・バーの司法省の注目を集めることは、ほぼ間違いないだろう。

 

語りたがる人はほとんどいないと思われる、厄介な事実すらある。アナーキーは結果を得た。

 

私を誤解しないように。私は、放火や略奪で建物を失ったミネアポリスの人々に心が痛んだ。ミネアポリスにあるアメリカ先住民の非営利団体ミギジは、ネイティブアメリカンの若者が自分たちの文化について学ぶことができる場所を購入し、改修するため、100万ドル以上を調達した・・警察署を含む数十件と一緒に、それが炎上するのを見るためだけに。建物を建てるには何年もかかることもあるが、焼け落ちるのは一晩だ。

 

とはいうものの、その破壊の規模が、平和的な抗議行動では得られなかった方法でメディアの注目を引いたことは認めざるを得ない。私は平和的な行進についての記事をいくつ書いただろうか?膝をついている郊外の母親を調査するのにクイン氏は何カ月を費やしたのだろうか?それは我々の責任だ。

 

略奪と放火が人種的正義を求める切迫した要求を脱線させるとともに、非難を招くのではないかと心配したが、少なくとも短期的には、私は間違っていた。ブラック・ライヴズ・マターへの支持が急増した。企業は財布を開いた。それはまるで、マルコムXを垣間見た後でマーティン・ルーサー・キング牧師に群がった白人のように、代替案を見た後で平和的黒人主催者の後ろに国が結束したかのようであった[訳注]。

 

けれども抗議が続くにつれて支援は衰えてきた。最近のピューリサーチによると、ブラック・ライヴズ・マター運動を支持すると答えた人の割合は、6月の67%から55%へと低下した。

 

とりわけ警察の暴力を阻止するためにシステム内で働いている人々の生活を無政府主義者が複雑にしているため、「反乱無政府主義」は収益の減少をもたらす。

 

ケンタッキー州ルイビル。警察改革法案を提出した黒人州議会議員のアッティカ・スコットが先週逮捕され、誰かが図書館の中に発煙筒を投げこんだ後、重罪暴動で起訴された。

 

ポートランドでは、活動家から市議会議員に転身したジョー・アン・ハーデスティが、精神疾患とホームレスに対処するための非武装の街頭対応者の試験的プログラムの創設を推進した。これは、警察の手による暴力を経験する住民を保護するための実際的な取り組みだ。それでもハーデスティは、抗議集会で、単に警察を改革したり予算を削減するのではなく、警察を廃止しようとする無政府主義者から、やじり倒される。

 

「この問題に30年間取り組んできた黒人女性なので、黒人のために十分なことをしていないと私にわめく、黒人の命が重要であることを発見したばかりの若い白人活動家がいることは・・ちょっと皮肉だけど仕方ない」ハーデスティは語った。

 

シアトルでは、2016年に警察の暴力で兄を亡くした黒人男性アンドレ・テイラーが、市民を殺害した警察官を訴追することをほぼ不可能にした州法改正に貢献した。しかし、彼の非営利団体が市から資金を得ており、彼が警察に協力していることから、彼は若い無政府主義者から「豚の警官」と呼ばれてきた。

 

「彼らが『あなたは警察と一緒に働いている』と言う時、『私は警察と一緒に働いたことがあり、改革のために働き続ける。私が兄を失ったことを忘れるな』と言うよ」テイラーは述べる。黒人は、通常の法を遵守した行為で撃たれる。 黒人はアナーキーの贅沢を持っていない、と私に語った。

 

それが「反乱無政府主義者」の問題だ。彼らは気まぐれな仲間を作る。彼らがあなたの権力の掌握を助けたとすると、翌日、彼らはあなたを追い出そうとするだろう。彼らが反対するものが権力だからだ。彼らの多くは投票すらしない。彼らは、古い秩序を解体するのは得意だが、新しい秩序を構築するのはかなり下手だ。ポートランドで100日間以上の抗議活動が行われたにもかかわらず、活動家たちが共通の政策目標について一致しないのはそのためだ。無政府主義者の中にはそれを認める者までいる。

 

「我々は、社会主義者共産主義者、民主主義者、もしくは無政府主義者ユートピアですら可能かどうかわからない」との「元労働者」のポッドキャストの平坦な声。「むしろ、無政府主義者であることの意味は闘争そのものにあるし、その闘争が明らかにするものにある、と信じる無政府主義者もいる」


言い換えると、それは実のところ、ジョージ・フロイドやブラック・ライヴズではなく、暴動のための暴動である。

 

 

[訳注] マルコムXが語ったとされる言葉のひとつに下記があります。

"The media's the most powerful entity on earth. They have the power to make the innocent guilty and to make the guilty innocent, and that's power. Because they control the minds of the masses."