ロイ・ヘンダーソンの報告書(その2・完結)

 

アメリカ外交官、ロイ・ウェズリー・ヘンダーソンの、1936年11月16日付報告の部分訳です。

Foreign relations of the United States.... | Hathi Trust Digital Library (p.311~314)

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。この報告書にはブログ主にとって難解な英語表現が多いため、より一層のご注意をお願いします。

 

 

問題がある国々の革命分子や不平分子とソ連国家とを連絡するつながり(すなわち、共産主義インターナショナルを含む様々な国際機関)の切断よりも、クレムリンが協力をひどく必要とする問題がある国々を、クレムリンは選ぶと過去の幾多の機会に示してきた。クレムリンは、ある程度の国際情勢において、それらの組織の活動を一時的に縮小したり目立たなくさせる意思を表明している。同時に、モスクワの着想を当てにするそれら不平分子との連絡を絶たないように、ないし、より戦闘的な革命軍全体の統制を失わないように振る舞うべきであると、それらの組織はいつも主張してきたように思われる。


私の意見では、クレムリンは現時点で、従属する国際組織があらゆる国で今すぐ革命を扇動しようと励むことを要求していないと、私はここで強調したい。これらの組織に課す任務は、彼らが活動している国に特有の状態や外交方針によって異なる。しかしながら、彼ら皆に、実行するようお呼びがかかる共通の課題がひとつあり、すなわち、革命精神を整えるように励むこと。不平分子やいわゆるリベラルでさえ、こぢんまりした教練が行き届いたグループの中で、厭わず無批判にモスクワの指導に従う。


世界の革命勢力や潜在的革命勢力を統制するか、少なくとも影響を与えるというクレムリンの決定は、クレムリンが、それら勢力への支援は目下の目標にも将来の目標の達成にもほとんど不可欠であると感じているという事実のみならず、もし、それら勢力の隅々までのあらゆる指導を失ったならば、それら勢力がソビエト連邦ソビエト体制の執念深い敵へと発展しそうであるという懸念に起因していると、私は信じたいと思う。この懸念に根拠がないわけではないということは、もはやモスクワの着想を当てにしていない、いわゆるトロツキストのような革命的グループが、ソビエト連邦は官僚社会や新しいブルジョワ階級の利益のために労働者が搾取されている国家主義の反動国家になったと、現在批判しているという事実によって証明される。

 

一定の代償的な利益の見返りとして、クレムリンに従属する国際組織のアメリカでの活動を、人目につかなくさせることにクレムリンは同意するかもしれないけれども、そのような取り決めは、私の意見では、一時的な性質を上回る可能性は低い。ソビエトの国際情勢が極端に不安定になれば、クレムリンは、表向きの本部を他の国々に設置することで、それらの国際機関がモスクワに従属しているという事実を目立たなくさせる可能性すらある。それにもかかわらず、私は、ソビエト連邦の制度全体とその指導者のイデオロギーは徹底的に変革を遂げなければならないと確信しているけれども・・そしてそれが近い将来に起こりそうだとは思われない・・クレムリンは、共産主義インターナショナルや同様の組織を通じて、一定の外交政策を引き続き表明するであろう。したがって、クレムリンがアメリカの一定の革命的グループにコントロールを及ぼしているという事実からアメリカ政府が目を背けない限り、アメリカの国内事情への干渉という問題は、アメリカとソビエトとの関係を妨害し続けるように思われる。

 

海外貿易問題や、債権と債務、信用と融資についての失望と苛立ちの大部分は、私の意見では、ソビエト連邦を優れた自給自足の世界大国へと転換するために必要な、商品や技術・資金援助を得るため、ソビエトと諸外国との関係を利用するように努力する政策に関して、アメリカ政府がこれまでのところ十分に協力的な態度を取ってこなかったという事実から生じている。

(後略)