日米交渉と野村大使

 

Pearl Harbor. Intercepted diplomatic messages sent by the Japanese government between July 1 and December 8, 1941.

p.17-18からの翻訳です。

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。

 

 

From: Washington (Nomura)
To: Tokyo
August 16, 1941
#703 (Part 1 of 4)

 

(1)これまで逐次お伝えしてきたように、今日の日米関係は、今にも何かが起こるかもしれないとの段階に達しており、日本が次の行動を起こすや否や、急激に悪化するおそれがある。日本がタイを占領した場合、この急激な変化が起こるであろうとの見方は、日本人も米国人も意見が一致する。既にお伝えしたように、米国は、まだ欧州戦争への参戦について十分な意見の一致を得ておらず、大統領自身も躊躇している。けれども、極東で強硬手段を採ることについては、国民は満場一致である。政治情勢に精通している人々によると、これは、イギリスが賛成しており、中国・ドイツが望んでいるものである。

 

 

From: Washington (Nomura)
To: Tokyo
August 16, 1941
#703 (Part 2 of 4)

 

大統領や海軍指導者らが、太平洋戦争の事業は途方もないものになると気づいている限り、大統領が強硬手段に出るとは考え難い。イギリスは、裏口から日米戦争を始めさせることさえできれば、欧州戦争にアメリカを参戦させる見通しが十分にある、と考えていると私は理解している [訳注]。アメリカ国民は次のように考えている。ゆくゆくはドイツがソ連を敗北させるかもしれないけれども、戦争はすでに短期決戦の段階を過ぎて消耗戦の段階に入った。大西洋での潜水艦戦争が英米に有利に展開しているのであるから、英国と米国とは本来の目的を達成することができるであろう。その状況は1917年の状況とよく似ている。最終的な勝利の確信が増している、と私は理解している。

 

 

From: Washington (Nomura)
To: Tokyo
August 16, 1941
#703 (Part 3 of 4)

 

(2)当地ではそのような状況であるので、あなたが電信で著した会議の提案を国務省に照会せざるを得なかったけれども、あなたが既に知っているように、国務長官は提案に否定的な回答をした。そこで、その後、国務長官と親密な関係にある閣僚に関心を持たせようとしたけれども、彼もこの主題にはほとんど興味を示さなかった。その上、長官がそのような会議に出席することは、慣例である。大統領は、かつて日米首脳会談の手配を考えていたけれども、仏印占領以来、日本が、日米関係の抜本的な再調整を望んでいるのではなくて対米融和政策を採っているのだと考えるようになった、と私は理解した。大統領が私と会談したことは異例のことであったとか、私はこれまで日本に騙されてきたのだと彼らは考え始めている、と聞いている。

 

 

From: Washington (Nomura)
To: Tokyo
August 16, 1941
#703 (Part 4 of 4)

 

そうこうするうちに、日本の新聞は、米政府の声明を猛烈に批判している。このように雰囲気が悪くなりつつある。この誤解を取り除くため、何かが今おこなわれなければ、私は目的を達成しえないだろう。また、政治的な見地から該問題を見ても、国家元首が提案に批判的である限り、彼が、それに関して何かを行うとは期待できない。アメリカは、過去の会談で取り上げられた三つの重要な論点について、少なくとも、何らかの誓約を我々がなすことを望んでいる、と私は考える。すなわち、自衛の問題、中国からの軍隊の撤退、貿易における無差別。今日、国務長官が我々の提案を却下した時、あなたが電信で我々に指示したことを引き起こすのであれば、多くの障害の除去の必要があるし、慎重な検討の必要があると、私は痛感せざるを得なかった。大統領は数日中に帰国すると伝えられているので、私が示した上記の点を検討し、さらなる指示があれば、すぐに電信でお知らせください。

 

 

 

 [訳注] Propaganda in the next war. by Sidney Rogerson(1938年刊行)に

"To persuade her [the United States] to take our part will be much more difficult, so difficult as to be unlikely to succeed. It will need a definite threat to America, a threat, moreover, which will have to be brought home by propaganda to every citizen, before the republic will again take arms in an external quarrel. The position will naturally be considerably eased if Japan were involved and this might and probably would bring America in without further ado. At any rate, it would be a natural and obvious object of our propagandists to achieve this, just as during the Great War they succeeded in embroiling the United States with Germany". という記述があるそうです。

 

[拙訳] 「英国に味方するように米国を説得することは、成功の見込みが立たないほど、はるかに困難なものとなろう。それには米国に対する明確な脅威が必要となるであろうし、さらには、その脅威は、the republic(共和国。アメリカを指すと思われる)が外国の口喧嘩に再び武器を手にする前に、宣伝という手段で、あらゆる市民に持ち帰らせねばならぬだろう。もし日本を巻き込めば、その状況は勿論かなり容易になるだろうし、面倒もなく米国を引き込むかもしれない。いずれにしても、第一次大戦中に米国とドイツとを反目させることに成功したように、これを達成することは我々宣伝者の自然で明白な目的となろう」

 

The Chinese Opium Wars And British Jews 最後のページ(本文29頁)

 

[追記] "The Chinese Opium Wars And British Jews" の原本は War! War! War! のようです。"Propaganda in the next war" に関しては、原本を確認できていないものの、別の情報源に照らして、そのような記述が存在することはほぼ間違いないと考えています。

 

ですが "The Chinese Opium Wars And British Jews" で紹介されているもうひとつの記述(下記訳)が実在したのかどうかについては、私は懐疑的です。

[拙訳] 「我々はお節介な友人の犠牲者だ。イギリスはぜひともアメリカを裏口から戦争に引きずり込みたい。もし連合国が極東で日本に対してアメリカを関与させることができれば、中国で日本を妨害する責務、および、ドイツと連携することを決定した場合に日本と戦う責務を、連合国から取り除くことになる。日本が蘭領東インドへの侵略を計画しているという考えをアメリカに吹き込むことは敵意を煽るし、その敵意は激怒になるかもしれない」