帝国の対中政策と第三国との関係

 

Foreign relations of the United States ... 1937:V.3. | HathiTrust Digital Library

p.33、p,39-41からの翻訳です。

機械翻訳を利用した個人的な訳ですので誤訳によって生じた損害の責めは負いかねます。おおよその内容を把握するためのものとしてご利用ください。

 

 

The Ambassador in Japan (Grew) to the Secretary of State
TOKYO, March 3, 1937.
[Received April 6.]

 

拝啓:1931-32年に満州で異彩を放った日本人将校、土肥原賢二将軍による、最近の雑誌記事の翻訳コピーを送信することを光栄に思う。陸軍で影響力が大きい板垣グループの一員である土肥原の、軍備増強の有用性についての見解は、林内閣の公式政策がいかようになろうとも、注目に値する。


著者が思い描く根本の議論の道筋は、このようなものに見える。日ソの対立においては、中国は極めて重要な地である。中国内の共産主義は、いかなる犠牲を払おうとも止めなければならない。日本にとっての障害は反日扇動である。蒋介石はこの運動を自分なりの目的のために利用したけれども、今もって手に負えなくなった。日本が共産主義との戦いを放棄し、華北での活動を終わらせ、満州を返還することでしか、その要求を満たすことができない。日本の政策は、蒋介石を支持することや(彼の共産主義者との妥協を受容することになろう)、失脚させる(反日感情を煽ることになろう)ことではなく、困難の大きさに比して効果は小さいかもしれないけれども、宣伝活動で中国人に訴えることでなければならない。さらに重要なのは、日本の政策は、国内改革によって国民の結束を強化することでなければならず、軍備の拡大によって日本の国力に対する中国人の敬意を増すことでなくてはならない。日本の無関心を中国が理解するために必要な前提は、日本の軍事力の強化である。

 

敬具 Joseph C. Grew

 

 

The Ambassador in Japan (Grew) to the Secretary of State
ToKYo, March 11, 1937—6 p.m.
[Received March 11—11:05 a.m.]

 

1. 佐藤尚武の演説の英語版は外務省から公表されていない。大使館は、事実上、演説全体の非公式な翻訳が、報道記者によって米国に伝えられたと理解した。郵便によって批評することを大使館は提案した。


2. 演説の冒頭で、外交政策の継続の妥当性(大使館の第69文書・第三パラグラフ、3月4日午後2時)について論じただけでなく、状況の変化に対応するよう、外交政策をときどき見直す必要があると述べた。

 

3. 日ソ関係。佐藤は、現在の状況は望ましくないと認め、このような状況の責任を、主としてソビエト連邦内のコミンテルンの存在に帰した。ソ連が、より長く、国土内のコミンテルンの存在を認めようとしなければ、あるいは、組織が国外に移転されたとすれば、日ソ関係だけでなく、ソ連と他の国々との関係も、明るくなるであろうとの見方を示した。


4. 日英関係。佐藤は、両国間の調和を促進する全国民の意向を強調して、あつれきの問題に言及した。彼は、日本の進出によって中国における利益が脅かされることを英国が恐れているため、摩擦の要点は日中関係にある(大使館の第77文書・第一パラグラフ、3月5日午後6時)とほのめかした。日本は、英国や他国に不安を引き起こすことは望んでいないし、そのような不安の原因を突き止めて原因を考慮すべきであるし、中国における他国の権利を尊重するよう努めるべきである、と彼は述べた。その上で、 日本が中国に対する利益を平和的に発展させれば、諸外国の理解を得ることができるであろう、と述べた。

 

5. 日中関係。佐藤は、現在の行き詰まりは避けられないものと認めた。彼は、理想的な解決策はすぐには見つからず、新しい視点から始める必要があろう、と述べた。外交交渉は、通常、国家間の平等に基づいて行われると述べ、日中関係の困難は、中国に対する日本の優越感のためであるとほのめかした。また、中国の要求や死活的利益に配慮し、日本の利益を無傷で維持する一方、平等と融和の精神で中国と交渉することを提案した。


6. 佐藤が演説で米国に言及しなかったのは、好ましいことだ。

 

7. 演説はおおむね日本で好評だったけれども、社説で批評したのは二紙にすぎなかった。朝日新聞は、その率直な論調を賞賛し、演説は大いに賞賛に値するとしながらも、佐藤が提言した、ソ連コミンテルンから分離することは実現不可能であると批判した。読売新聞は、日本外交のこう着状態を打開しようとする佐藤の決意を賞賛した一方、ソビエトロシアに関する提言を批判した。アドバタイザー、タイムス、クロニクルも、演説を好意的に評する社説を出した。


8. 大使館は、日本の経済・実業界が、佐藤の政策を心から承認すると知らされている。

 

9. 大使館の見解は、(a)中国との関係改善は他国との関係に有利に作用するという事実を強調したこと、(b)演説で明らかになった、対等を基礎とした友好的かつ密接な平和的協力・・佐藤氏の外交は、特に中国に関して、これまでの外交よりも融和的な姿勢をとるであろう・・に、佐藤演説のポイントがあると思われる。けれども、観察者は、関東軍が佐藤の計画を覆すかもしれないと指摘する。


10. これに関連して重要なことは、私の同僚が私に報告したところによると、帰国する前、佐藤は、他の閣僚、特に陸軍大臣との意見の調整が難しいため、外務大臣の職を引き受けることができるとは思っていなかった。閣僚と協議して驚いたことに、彼らの意見と彼の意見とが実質的に一致しているとわかり、その結果、彼は職を引き受けた。これは、軍の、過去の過ちや失敗によって生じたのかもしれない、軍の方針の変化を暗示する。これも観察者の見解なのであるけれども、日ソ間に、新たな戦争の危険を伴った困難が増しているので、日中関係改善の英知が必要になった。


11. 佐藤は、本日午後、国会で再び質問を受けているところだ。大使館は、質疑から発した、どんな新事実でも報告するつもりである。

 

Repeated by mail to Peiping.
GREW